2022年4月の「ザ・エコノミストを読みとく」の課題文

皆さま、こんにちは。

随分、ごぶさたしてしまいました。
久しぶりに「ザ・エコノミストを読みとく」シリーズの2回目の課題文を添付のとおり提示します。
英語好きな方で、経済・金融・外交関係の英語を読めるようになりたいとお思いの方は是非、
①冒頭段落、最終段落の和訳
②第2段落以降、最終段落までの段落順の予測
③お好きな段落の英訳、に挑戦してみてください。

1~2週間後に模範解答を掲載いたしますので、楽しみにしていてください。

不明点やご意見があれば、是非小職のメルアドまでメールをお送りください。
必ず解答申し上げますので、お待ちしています。

末永 明
塾長/グオーカリスト維新塾

 

Topic: The world economy/Recession roulette

Sub title:  A toxic mix of risks hangs over the world economy.

 

トピック: 世界経済/ロシアンルーレットならぬ景気後退ルーレット

見出し: リスクの有害な組み合わせが世界経済にまとわりついている。

 

I. 以下は冒頭段落、及び最終段落原文である。

冒頭段落:
Just a year ago the world’s economists were celebrating a rapid rebound from recession. Now they are worrying that the next downturn could be looming. In America the Federal Reserve is preparing to do battle with high inflation by raising interest rates sharply and shrinking its balance sheet. In Europe expensive energy is snapping consumers of spending power and making factories expensive to run. And in China an outbreak of the Omicron variant of the coronavirus has led the authorities to impose the strictest lockdowns since the start of the pandemic.

最終段落
The blame for the economic troubles lies squarely with policy makers. FED’s job is supposed to be to take away the punchbowl just as a party gets going; it has instead presided over a blowout. Europe‘s governments let the continent become dependent on Russian natural gas. And China’s difficulty in suppressing Omicron was predictable, and widely predicted. Economic trouble often strikes a bolt form the blue. Today’s recession was avoidable.

 

Ⅱ. 以下は、第2~8段落の各段落のトピックセンテンス(段落の冒頭文)です。(各段落の全文は次の項目に掲載してあります。)順不同となっていますので、正しい段落順を予想してください(例:A→B→C→D等)。
順番は、ただし、原文から崩してあります。原文の段落順を予想してください。

A: FED(中銀)は、賃金及び物価上昇率をずれも封じ込め、インフレ率を目標の2%におさめなくてはならない。

B: 金融政策のブレーキを踏むことは必要だが、他方で、経済成長を脅かす。

C: 欧州もインフレ問題をかかえているが、その原因は、景気過熱ではなく、輸入エネルギー価格や食品価格の高騰にある。

D: 世界の経済成長にとって悪材料が重なり、先行きの見通しは暗くなりつつ

E: ユーロ圏の経済はそれでも全体としては2022年は成長するだろう。

F: 米国の経済は過熱している。

G: 中国でのオミクロン株の流行の世界経済への脅威はもっとも深刻で切迫している。

H: 習近平国家主席は、政府役人に対して、ロックダウンに伴う犠牲を軽減するように指示している。

 

Ⅲ. 以下冒頭・最終段落の翻訳文、及び第2~第8段落の翻訳全文です。原文の段落順を予想するにあらい、参考にしてください。
また、第2~8の中から、ひとつを選択し、英語に翻訳してください。

冒頭: ほんの1年前、世界中のエコノミストは景気後退からの経済の素早い回復を祝福していた。今や、次の停滞局面が迫っていると心配している。米国では、FEDは、金利の急激な引き上げとバランスシートの縮小の構えを示し、高インフレとの戦いに備えつつある。欧州では、エネルギー価格の急騰が消費者から購買力を奪いつつあり、工場の操業コストを引き上げている。そして、中国では、コロナウイルスのオミクロン変異株が猛威を振るい、当局はパンデミック(世界的大流行)の開始以来、これまでにない厳しいロックダウン(都市封鎖)を実施している。

A: FED(中銀)は、賃金及び物価上昇率をずれも封じ込め、インフレ率を目標の2%におさめなくてはならない。短期金利の上昇は予測されている:1年前まではほんの0.25%だった水準から。12月までには2.5%の水準まで。2023年中には3%を超える水準までに。今週、中銀は8.5兆ドルにも膨らんだ債券などの資産買い入れの圧縮策を打ち出している。それは5月に始まった。前回の禁輸引き締めのペースを馬回るスピードでだ。

B: 金融政策のブレーキを踏むことは必要だが、他方で、経済成長を脅かす。歴史を振り返れば。FEDが労働市場をひやそうとすれば、必ず経済を景気後退に追い込んできたことがわかる。1945年以来、ソフトランディング(軟着陸)に成功したのは、3回しかない。しかも、高インフレとの戦いをしつつ成功したことはないのだ。債券投資家は、今後2年で、FEDは再び金利を下げることになるだろうと読んでいる。歴史を見れば、今後2年以内にリセッション入りする可能性が高い。

C: 欧州もインフレ問題をかかえているが、その原因は、景気過熱というよりも、輸入エネルギー価格や食品価格の高騰にある。ロシアによるウクライナ侵攻や西側諸国の対ロシア制裁を受け、欧州のエネルギー供給は脅威にさらされている。こんどの冬に向けたガス価格は米国での水準の5倍以上だ。家計のエネルギー支出はGDP比で、米国の2倍近い(というのは、欧州の経済規模が米国を下回るであろうこともあるだろう)エネルギー価格の高騰に伴い、消費者心理は冷え込み、企業も苦戦しいる。フランスの2月の鉱工業生産指数宇は低下した。

D: 世界の経済成長にとって悪材料が重なり、先行きの見通しは暗くなりつつある。エコノミストによっては、各国の直面する困難のタイミング次第では、複数の国はリセッション(景気後退局面入り)に苦しむだろうと予測している。

E: ユーロ圏の経済はそれでも全体としては2022年は成長するだろう。しかし、それは脆弱なものだ。欧州がロシア産の天然ガス輸入が途絶えることとなれば、理由が欧州自身による選択であろうが、クレムリンの意向であろうが、リセッションのリスクは高まる。

F: 米国の経済は過熱している。消費者物価指数は前年同月比7.9%増であり、時間当たりの賃金(平均時給)も5.6%伸びている。米国は、求人件数は失業者一人あたり、約2つの就業機会がある状態だ。この2倍というのは、過去70年間で最高の比率だ。2021年、中銀当当局者は、パンデミックが始まって以来、職を失っていた人たちが、加熱する労働市場を冷やすべく、労働市場にもどってくることを願っていた。この半年で、彼らの願いは叶えられてきた。労働市場年齢の半分以上の労働者は労働市場にもどってきた。しかしながら、賃金上昇率も依然高まっている。なぜならば、物価の伸びが生活に悪影響をあたえつつあることを懸命に交渉してきたからだろう。

G: 中国でのオミクロン株の流行の世界経済への脅威はもっとも深刻で切迫している。中国は4月6日の時点で2万人を超えの新規感染者数だ。しかも、中国政府はゼロ新型コロナ方針を政策に全力を挙げる中、人口2600万人の上海だけでなく、かんせんが爆発する他の地方都市でもロックダウンが実施されている。ゴールドマンサックスによれば、過去のロックダウンとGDPの関係によれば、中国の実質DDPはロックダウンがなかった状態と比べてGDPは7.1%低下すると試算する。ロックダウンは、更に、世界の貿易にも悪影響を及ぼす。世界貿易は、既にパンデミック直後の影響に依然として苦しんでいるが、、。上海は数百隻もの船舶が沖合で荷下ろしや荷積みを待って停泊している世界屈指の貿易港だ。

H: 習近平国家主席は、政府役人に対して、ロックダウンに伴う犠牲を軽減するように指示している。が、対策をゆるめるのが速すぎれば、中国本土は、パンデミックの感染と死者数の波が香港を襲ったようにせまることとなる。中国の消費者は委縮し、自国の経済視聴に混乱うるあたえることにもなりかねない。中国における高齢者のワクチン接種が、最も効果的なワクチンを使って、たまるまで、ロックダウンはつづくであろうし、自国経済と世界経済へのあくえいきょうもつづくだろう。

最終: 世界経済の懸念の責任は政策担当者が負うべきものだ。米FEDの仕事はパーティがまさに佳境に入ろうとするときにパンチボール(酒の入った容器)をとりあげることにある。しかしながら、中銀はむしろ、加熱に悪乗りした。欧州の各国政府も大陸がロシアの天然ガスに依存するのを放置していた。中国がオミクロン株に苦慮することは予想可能であり、実際に広く予測されていた。経済の問題は、大抵、なにもないところからはじまるものだ。ただ、今回のリセッションに怯える状況は回避できたはずだ。